この恋愛話の意味するところですが、古代の結婚が政略結婚であり征服、服従関係のなりたちであると考えると、大国主神
は、何を求めてこの地にやって来たのでしょうか。越の有力者の娘、奴奈川姫を娶って勢力を伸ばしてきたと考える図式が思い浮かんできます
そして求めたものは、翡翠だったのです。そして娶りが思いもよらず日数が掛かったことや、姫が頑なに出雲行きを拒んだと言う伝承は
この地の持つ特殊性から、ある程度我を張るだけの力を持っていた証では無いのでしょうか。
翡翠という貴重な資源を持っていたことで、納得出来ます。出雲大社の直ぐ近く社家通りの山側に真名井遺跡があります。
ここから、銅戈と共に立派な翡翠の勾玉が出土しています。出雲大社の境外摂社である命主社の直ぐ隣に位置し大国主大神を
死から救った神産巣日神を祀った社の側から素晴らしい翡翠の勾玉が出土している事は、大変に意味深いものがあると思います。
大国主神と奴奈川姫との恋物語は、実は出雲が翡翠の産地と交流していたことを語っていると思います。
翡翠を求めた娶いだったのか