臼庭から式台を上がると、昔は番頭、手代が机を並べていた「店の間」に続いて、10畳と6畳の二間続きの「書院の間」があります。これが本陣宿 をしていた当時、藩主の居間に当てた部屋です。床柱の上部に埋木の跡があるのは、天保14年(1843年)、藩内に厳しい倹約令が敷かれたとき 、長押(なげし)を取り払った跡です。二間を仕切る襖の「猛虎図」は、鳥取藩お抱えの絵師土方稲嶺の作です。ケヤキ一木彫りの欄間「麻の葉透かし 花籠図」は、名工小林如泥に師事して出藍の誉れを博した梶谷東谷軒(雲南市出身)の大作として知られています。
書院=藩主の間