松江市八雲町の意宇川の上流、須賀山の麓に鎮座する神社で、出雲一宮です。主祭神は素戔嗚尊ですが、「延喜式」
の出雲国造神賀詩では、熊野大社節御気野命だとされています。この神は水と農業を司る神として、意宇川下流の
豪族達にとっても大切な神様でした。「出雲国風土記」にも熊野大社と書かれていて、平安時代初期までは出雲国一の宮
として、出雲大社以上に信仰を集めていたようです。現在でも出雲大社と熊野大社の関係は深く出雲大社国造家が、神主を
務めています。毎年10月15日に行われる鎮火祭は、出雲大社の新嘗祭で使用する聖火を起こす為の新しい「火胤臼」と
「火胤杵」を受領する大切な神事です。熊野大社本殿の横にある切妻・平入りの古代建築風の鎮火殿に安置されています。
熊野大社