この魚は、おば?!、「アバチャン」です。体は寒天質でブヨブヨ、色は半透明で、赤橙色の流状の斑文があります。口の周りにはひげがあり
、お腹には吸盤を持っています。水族館でも時折見ることができ、水槽のガラスに張り付いたりする様子が観察されています。ひだのある大きな胸鰭を手のように使い、
体をほぼ垂直に立てて、口先を海底に近づけ、泥の中のヨコエビ類などを食べます。通常は水深数百メートルの海底に生息する深海魚ですが、
北海道では冬から春に沿岸の浅場に出没し、ダイバーの人気を集めています。
丹後沖ではズワイガニなどを獲る底引き網に時々混ざって入ります。食用にしないため海上で放流されますが多くは死んでしまいます。
京都府の底引き網漁の皆さんは、改良した網を使い、このような魚を無駄に獲らないよう努めており、
海の生態系に配慮した漁業としてアジアで初となるMSC認証(海のエコマーク)を取得する見込みです。海洋センターでは新しい漁具を開発するなど、漁師さんを支援しています。

 

 

 

 

 

ダンゴウオ科の魚類はすべて海水魚で、北極海を含めた北半球の寒冷な海に分布しています。ほとんどの仲間は北太平洋を主な生息域とし、
北大西洋に分布するものはランプサッカー Cyclopterus lumpus などごく少数に限られます。

一般に底生性で、吸盤状の腹鰭を使って岩に張り付いた姿が観察され。浅い沿岸の岩礁に住むものから、深海に差しかかる大陸棚や大陸斜面上部で生活する種類まで、
分布水深はさまざまで例外的に、ホテイウオ Aptocyclus ventricosus のように成魚が深海の中層で浮遊生活を送る種類もいます。

食性は肉食性で、主に多毛類・甲殻類・軟体動物を捕食し。一部の種類は、水や空気を吸い込むことでフグのように体を大きく膨らませることができます。
産卵は通常沿岸の浅海で行われ、前述のホテイウオなどは、繁殖期に沖合から長距離の回遊を行うことが知られ、雄が卵を保護する習性をもっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アカオビベラ                                                                                        セダカカワハギ

出雲の沖合日本海に住む珍しい魚たち。