石見神楽
石見神楽の起源は定かではなく近世以前とされているが、文化文政期の国学台頭とともに古事記・
日本書記を原拠とする神話ものが加わり、演目も豊富で極めて多彩である。
往時、神の御心を和ませるという神職によっての神事であったものが、明治初期からは政府の神職
演舞禁止令により、土地の人々に受け継がれ、民族芸能として演舞されるようになった。
そのリズムは、石見人の気性をそのままに、大太鼓、小太鼓、手拍子、笛を用いての囃子で演じら
れ、見る人をして神話の世界に誘う。
また、石見神楽はその詞章に特徴がある。荘重で正雅な古典的なその言葉は、里神楽には極めて
稀だといわれており、その中に織り込まれた土の香りの高い方言的表現、素朴な民謡的詩情ととも
に独特のものをつくりあげている。
神々の国しまね 石見神楽