~諸手船神事とは・・・~
出雲の「国譲り神話」にちなんだ美保関2大神事の一つ「諸手船(もろたぶね)神事」。
神事は、大国主命が国譲りの際に美保神社の祭神・事代主命に諸手船で使者を送ったとの故事にちなみ、毎年12月3日に行なわれるというもの。
島根半島に初雪の便りが届く12月はじめ。
厳寒の美保関港を舞台に、2槽の古代船へ美保神社でかじ取り役の大櫂(かい)などに指名された白装束の氏子たちが乗り込み、太鼓の音に合わせて「ヤーヤー」と威勢のいい声を上げ海へと漕ぎ出していきます。
そして対岸の社の下を折り返すと岸まで競争し、到着後は櫂(かい)で激しく海水を掛け合い、大国譲りのとき2隻の諸手船に使いの神が乗り美保関に住む事代主命のもとに意見を聞きに来る様を再現するのです。
~諸手船の特徴~
諸手船の長さは6.6m、最も幅の広い部分で1.12m、その深さは51cmにも及びます。
当初は一本の丸太をくり抜いて作ったと言われているのですが、後代になって重木に調(板材)をつづり合わせて作られるようになりました。材木に関しても元々はクスの木を利用していましたが、今現存する諸手船はもみの木が使用されています。
神々の国しまね 美保関