オオクニヌシがスサノオのところにやってくると、娘のスセリ姫が対応します。
娘は一目惚れして二人は結ばれ、その後家の中に招き入れ、父親に紹介します。
スセリ姫とは、なんと積極的で、行動力のある女性なのでしょう。
ところでこの舞台は、根の堅州国で、地名は出てきません。
最後の場面で黄泉比良坂が出てきますが、それは国の出口という扱いです。
スイサノオの宮殿は、どこにあったのでしょうか?
揖屋神社辺りから船通山までのどこかにあったのかもしれません。
ヒントは、堅州=堅い砂州=川の州だが頑丈で安全な地?
そんな場所が、あるのかもしれません。
スサノオはオオナムジを一目見るなり「これはアシハラノシコオだ」と言い、その夜は蛇のいる部屋に寝かせます。
スセリ姫は、蛇の害を祓う被布を「蛇が襲ってきたら、これを三度振って打ち払いなさい」と渡します。オオナムジはその被布を使って安らかに眠ります。
(被布とは、古代女性が首から胸に長く垂れ下がった薄い布)
柚木の夜はムカデと蜂の部屋ですが、妻からムカデと蜂を祓う被布をわたされ、オオナムジは、無事に過ごします。
そこで、スサノオは野原に射った矢を拾ってこいと命じ、オオナムジが捜しに行くと周りに火をつけます。
オオナムジが困っているとネズミが現れ、穴に隠れるよう教えます。火は穴の上を通り過ぎ、そのネズミが矢を咥えてきます。
夫が焼け死んだと思ったスセリ姫は、泣きながら葬式の道具を持ってきます。同じ思いのスサノオが野原に行くと、オオナムジが矢を持って現れます。
これを見たスサノオは、部屋で頭の虱をとるよう命じますが、頭はムカデだらけです。
スセリ姫は夫に椋の実と赤土を渡します。オオナムジは椋の実を噛み砕き、赤土を口に含んで唾を吐き出します。スサノオは、ムカデを噛み砕いて唾を吐き出している野だと思い、心中従順で可愛い奴だと思いながら眠ってしまいます。
そこでオオナムジはスサノオの髪を部屋のあちこちにくくりつけ、戸口を大石で塞ぐと、スセリ姫を背負い太刀と弓矢と琴を待って逃げ出します。
ところが琴が樹にに触れて大きな音を出します。この音で目を覚ましたスサノオが立ち上がろうとすると、建物が壊れます。
スサノオがくくりつけられた髪をほどいている間に二人は遠くに逃げます。
二人を追って黄泉比良坂まで来たスサノオは、遠くのオオナミジに呼びかけます。「お前が持つ刀と弓矢で腹違いの兄弟を始末し、オオクニヌシとなって娘スセリ姫を正妻とし、宇迦 の山(出雲大社の東北の御崎山)の麓に太宮柱を深く掘り立てて、空高く千木をそびやかした宮殿に住め」