手間での撲殺失敗を知ったヤソガミは、オオナムジを山奥まで追いかけ、今度は裂いた木の割れ目に挟んで殺します。
二度目の殺害場所は、分かりませんが母親が探し出して助けたと書いてあることから、そんなに遠方ではないと考えられます。
日南町誌によると、赤猪岩神社と同様の内容が、書かれています。
A 大石見神社(鳥取県日野郡日南町上石見)
ヤソガミの襲撃を恐れ、ヤガミ姫と共に山奥に入り込んで、隠れ住んだ」としています。古事記ではヤガミ姫を伴っていませんが、南部町から山奥に逃げれば日南町に向かうことになります。
上石見は日南町の最南で中国山地の分水嶺、つまり伯耆国の最も奥地です。
今は、のどかな高原の盆地ですが、オオナムジの頃は昼なお暗い鬱蒼とした森に覆われていたのだろうと思われます。
裂いた木の間に挟まれた場所・・・・何となく納得出来ます。
この後、母は二度も襲われたオオナムジを、木の国(紀伊の国・和歌山県)のオオヤビコ(家屋の神、スサノオの子供とされるイタケルの別名)
の元へ逃がします。しかし、ここへも追っ手が来ます。オオヤビコは、木の俣を潜らせてオオナムジを逃がし、「スサノオのいる根の堅州国に行け」と言いました。
ところで、南部町手間でオオナムジの看病をしたカムムスヒの娘キサガイの姫の子供が、佐太神社の祭神サダノオオカミです。
オオクニヌシーヤソガミの迫害ー