松江市東出雲町付近は、黄泉の国

妻を亡くしたイザナギは荒れます。そして「イザナミに会いたい」と、死者の行く黄泉の国(地下の死者の世界)
へ向かいます。
イザナギは、「国作りがまだ終わっていないから、現世に帰っておいで」と誘い、イザナミは「黄泉の国の食べ物を食べたので、こちらの神様と相談してみます。その間は、私を見ないでください。」と応じます。
ところが、長く待たされたイザナギは、醜い姿のイザナミを見てしまいます。
イザナミは恥をかかされたと怒り狂い、イザナギは、現世に逃げ帰りました。


A 黄泉比良坂(よもつひらさか)島根県松江市東出雲町

現世と黄泉の国の国境が黄泉比良坂で、映画「またたき」でも紹介されました。そこは出雲の国伊賦夜坂(いふやさか)だと書かれています。一般的には伊賦夜坂はB「揖屋神社(松江市東出雲町松江市東出雲町)」だと解釈されています。揖屋神社の古名が伊布夜坂だからです。
そこで、揖屋神社の宮司さんに伊賦夜坂の場所を聞きましたところ、「平賀地区の黄泉比良坂だ」との返事でした。
そこには、二本の石柱の間に注連縄が張られ、その中に千引の石(黄泉の坂を塞いだ石)を模した石が置かれています。注連縄の辺りは「ここが、死の国への出入り口だったのか」と思って見るからでしょうか、一種異様な雰囲気を漂わせています。今は明るい田畑が広がっていますが、古事記の時代には鬱蒼とした森に覆われていたのかもしれません。そう思って見回すと、この辺りが黄泉の国の出入り口だったようにも見えてきます。

全身全霊で感じ取ってみてください。







黄泉比良坂




揖屋神社











C 剣山(島根県松江市八雲町日吉)
揖屋神社から西へ直線距離5キロの所に、剣山があります。
イザナギが黄泉の国から逃げ帰る途中で「十拳の剣で追っ手を後手に払った」と伝えられている地です。
古事記通りに解釈すると「追っ手を払った」には黄泉比良坂の手前です。すると西5㎞地点は黄泉国の中?
住宅地の中に取り残された小さな山、120段のちょっと急な階段と、30段の緩やかな階段を登った頂きに不思議な気配の神社が佇んでいます。

イザナギとイザナミ「黄泉の国」編