C 母塚山(鳥取県西伯郡南部町)-標高276m
母の塚のある山です。母とはスサノオの母イザナミ、塚とはお墓のことで、実は比婆の山であるとの言い伝えが
あります。山頂からの見晴しは素晴らしく、町誌には「イザナミを祀る神社が大正時代まであった」と記されています。
現在その神社は麓の福田八幡宮に合祀されています。
D お墓山(鳥取県日野郡日南町大菅)-標高800mー
船通山の北、鳥取・島根県境の大菅峠を形成する山の一つがお墓山です。
その山頂がイザナミの御陵であるとの言い伝えがあります。(日野郡誌)
登山道の入口は、石碑が県道107号線沿いにあります。
谷に沿って登り、やがて尾根に出ます。尾根を右に進み、登りきった所が頂きです。
普段、人が登らないところですので、一人では登らないでください。山頂まで、1時間程度です。
十分な水を準備して下さい。
また、近くのE阿毘縁地区八石谷が、イザナギが火の神の首をはねた時に飛び散った血から生まれた八柱の神の
出生場所であるとの伝承もあります。(日野郡誌)
古事記には、国生みを始めたのはオノゴロ島と書かれていますが、神生みの場所の説明は、ありません。
話の流れから、オノゴロ島であると考えるのが一般的でしょう。
淡路島の近くで亡くなったイザナミを、なぜ遠く離れた山陰まで運んで葬ったのでしょうか?徒歩以外に移動手段がない時代に?もし神生みの場所が鳥取県日南町だったなら、イザナミを「伯耆と出雲の国境」に葬るのはとても自然に感じられます。
松江市八雲町の神納峠以外の三か所は、いずれも出雲と伯耆の国境です。
古事記を文面通りに受け止めれば、この三つの山のいずれかとする方が夢があります。どころが、明治33年の
宮内庁の調査で、神納峠は全国で十数か所に点在するイザナミ御陵伝承地の中の「陵墓参考地」とされたそうです。最愛の妻を埋葬するのにどこがふさわしいか、現地に立っ確かめてはいかがでしょうか。